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注釈

馴染みのない言葉や専門的な語句には注釈をつけ、大まかに分類してみました。分類は文末にある四角い括弧の中を御覧下さい。漢字を見ればだいたい意味はわかると思いますが、一応下に略語の意味を表記しておきます。

[音]:音楽 [建]:建築 [宗]:宗教 [植]:植物 [地]:地理 [伝]:伝説
[動]:動物 [美]:美術 [文]:文学 [歴]:歴史 

また、必要ないとは思いましたが一応見出しの括弧内にドイツ語の原語も記しておきます。


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アールヌーヴォー (Jugendstil):
19世紀末、イギリス・ベルギー・フランスに興り、ドイツ・オーストリアに波及した建築・工芸から絵画・彫刻・風俗に至る新様式。植物の枝や蔓を思わせる曲線の流れを特色とする。ドイツ語での呼称はユーゲントシュティ-ル。この名は雑誌“Jugend (ユーゲント)”の名にちなんでいる。[建・美] 


アトランテス (Atlant)
柱の様式の一つ。柱身が男子像で、建築の梁(はり)などを支えている。ギリシア神話で地球の西端に立って天を支えた巨人アトラスに因む。[建・美]


アルコーヴ (Alkoven):
洋式建築で、室の壁の一部を入り込ませた付属空間。凹室。[建]


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カドリカ (Quadriga)
古代ギリシア・ローマの四頭立て二輪馬車で、競技・凱旋式に用いられ、しばしば戦勝記念碑などの題材になった。[美]


凱旋アーチ (Triumphbogen):
キリスト教教会堂で内陣と身廊を区切るアーチで、普通その壁の壁面に死に対するキリストの勝利を主題とする壁画が描かれている。[建・宗]


カリアティード (Karyatide)
古代ギリシア建築の梁を支える女性像柱。


香具室
祭服、祭具を格納する聖堂内の小部屋。 [宗]


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国家教会 (Nationalkirche): 
国家によって承認された教会の意。[宗]


互市強制権または開市権 (Stapelrecht): 
中世の都市が商業政策上、都市を通過する商人に商品を販売するよう強制できる権利のこと。 [歴]


ゴシック (Gotik)
ロマネスクに続く中世ヨーロッパの美術様式。12世紀中頃フランスに興り、各国に伝わってルネサンスまで続く。建築が主要な様式で、天井は肋骨で補強し、壁は先のとがったアーチと組み合わせた柱で支える。建物は高く、窓も大きくとる。寺院建築に多い。[建・美]


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古典主義 (Klassik):
17〜18世紀におけるヨーロッパ芸術の全般的傾向で、古代のギリシア・ローマの芸術を規範とする立場。理知・普遍性・形式・調和・完成を重んじた。[音・建・美・文]


コリント様式
ギリシア古典建築三様式の一つ。古代コリントから起こったもので、他の二様式(イオニア式・ドリス式)よりも後れて成立。ローマ・ルネサンス以降の建築にも用いられる。アカンサスの葉を飾った華麗な柱頭に特色がある。[建]


ザルツカンマーグート(Salzkammergut):
オーストリアのオーバーエステライッヒ州、ザルツブルク州、シュタイヤ-マルク州の三州にまたがる山岳と湖沼に富む地方のこと。ザルツカンマーグートとは『塩の宝庫』を意味し、この地方が昔から岩塩の産地であったことを覗わせる名前である。なお今日でもこの地方には岩塩鉱が存在する。[地]


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参事会 (Stift):
中世において基本財産を備えて法人として認められた司教座聖堂参事会、共住聖職者参事会、修道参事会などの団体、のちに司教区のこともいった。[宗]


三位一体 (Dreifaltigkeit):
キリスト教で、創造主としての父なる神と贖罪者キリストとして世に現れた子なる神と、信仰経験に顕示された聖霊なる神とが、唯一なる神の三つの位格(ペルソナ)として現れるとする説。この三者に上下の差別はない。[宗]


ジュピター (Jupiter):
ローマ神話の最高神で、ギリシア神話のゼウスと同一視される。[宗]


証聖者 (Bekenner):
殉教者ではないが、キリストの福音を公に表明した受難者。[宗]


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城壁冠 (Mauerkrone):
古代ローマで敵の城壁に一番乗りしたものに賞として与えられた城壁をかたどった冠。[歴]


身廊または中廊 (Mittelschiff):
入口と内陣の間の細長い部分。[建]


角櫓(すみやぐら[Eckturm]):
城郭の隅に立てた櫓。[建]


枢機卿 (Kardinal):
ローマ教皇の最高顧問。枢機卿会を構成し、教皇選挙、教会行政の補佐などに任ずる。大部分は司教中から選出。[宗]


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過越祭(すぎこしさい)または過越祝(すぎこしのいわい[Passahmahl, Passahfest]):
イスラエル人のエジプト脱出を記念する春の祭。春分直後の満月に当たるユダや暦1月14日の晩に子羊を犠牲とし、これを食べる。[宗]


聖水盤(Weihwasserbecken, -kessel)
教会の入り口に置かれていて信者が教会に入る際、聖水に指をひたしたのちに十字を切る。[宗]



ミノリート教会の説教壇 説教壇 (Kanzel):
まわりより一段高いところに位置している屋根と手すりのついた狭い演壇。教会ではよく内陣手前、あるいは身廊中央の太い柱の周囲に階段をつけて説教壇を作っている。


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ズデート山地 (Sudeten):
チェコとポーランドの国境に東西に伸びる山地のこと。[地]


側廊 (Seitenschiff):
教会建築で、列柱などで区切られ本堂の左右を占める部分。[建]


長堂 (Langhaus):
入り口と内陣の中間部分で、身廊と側廊からなる。[建]


付け柱 (Wandpfeiler)
意匠上の必要などから付けた柱形、壁に付着した長方形断面の柱のこと。片蓋柱(かたふたばしら)とも言う。[建・美]


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ドリス式
ギリシア古典建築三様式の一つ。パルテノン神殿はその代表。雄勁・簡素で柱は太く短く、饅頭形の柱頭飾はその特徴の一つ。ローマ建築でも用いられた。ドーリア式とも言う。[建]


トレチェント (Trecento):
14世紀イタリアの文学・美術様式。[文・美]


トロパイオン

トロパイオン (Tropaion):
元々は戦いの際、敵が逃亡を開始した地点に勝利の証として印をつけた場所のこと。横木を渡した杭や木の幹に敵から奪った武器や鎧・兜・盾などを飾ることによってこの『印』はつけられた。後にこれは勝利の碑として石や金属などで作られ、コインやレリーフにも描かれるようになる。[美]


内陣 (Chor):
神社の本殿や寺院の本堂で、神体または本尊を安置してある部分。[建]


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ニーベルンゲンの歌(Nibelungenlied):
ブルグント人(ゲルマン人の一部族)の滅亡を歌った作者不詳の長大な悲劇の英雄叙事詩。二部構成となっている。1200年頃成立。作者不詳であるが、叙事詩の内容からして作者はウィーンかその近郊出身の騎士だったのではないかと推測されている。
日本でもよく知られている竜の血を浴びて不死身となった無敵の英雄ジークフリードの冒険談とブルグント(東ゲルマンの一種族)の王女クリームヒルトとの恋、結婚、そして死が第一部の主な内容。(ジークフリートは不死身のはずであったが、竜の血を浴びた際に肩の一部に菩提樹の葉が張りついていたため、そこだけが彼の弱点であった。ジークフリートは彼の強大な力を恐れたクリームヒルトの実兄とその忠実な家臣ハーゲンによって、弱点を後ろから刺されて死ぬ。)第二部は寡婦となったクリームヒルトのジークフリートを殺した者への復讐とブルグント人の滅亡がテーマとなっている。(彼女は復讐を可能にするために、フン族の王アッティラと結婚し、数年後そこへ自分の兄弟とブルグント人らを招いて彼らを皆殺しにしようと企む。)
一部のテーマはジークフリートの死、二部のテーマはブルグント人の滅亡となっている。また一部のテーマであるジークフリートの死は叙事詩全体のテーマ、ブルグント人の滅亡の布石となっている。その他叙事詩の複雑な構造や歴史的背景など、研究テーマとするには最適の素材。
しかし興味のない人には退屈なシロモノ。読んだら人に自慢するくらいしか用途はない。[文]


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ニワトコ (Holunder;Sambuscus nigra):
ニワトコ属の植物。日本人にはあまり馴染みがないが、オーストリアでは至る所に見られる非常にポピュラーな薬用植物の一つである。3mから7mほどの潅木であり、樹皮はいぼ状にぼこぼことしていて不快な臭いがする。葉は羽根状の形をしており、ややクリーム色がかった白い小さな花が春から夏にかけて枝に直接咲く(花序)。夏から秋にかけて黒または赤い実がなる。
ニワトコはその木全体に薬効があると言っても過言ではないほどで、古くは先史時代から人間に重宝されてきた。例としてその薬効の一部を紹介すると、ワインで煮た根は水当たり、蛇の毒などに効き、摘みたての葉は湿布として使えば炎症や潰瘍、痛風を鎮める効果があると言う。花には発汗を促進させる作用があり、ニワトコの花の茶は風邪によく効く。その黒い実は昔は髪を染めるのに使われ、下剤や咳止めとしての効果も大きい。現在でもオーストリアではニワトコの花のジュースや茶などはスーパーや薬局に行けばどこでも見られる日常的な薬効食品(?)の一つである。
こういった様々な薬効のためであろう、ニワトコは不思議な力を持つ木としても敬われてきた。ニワトコの木は悪霊や魔女を追い払い、家畜をその呪いから守ると信じられていたのである。恐らくこういったニワトコのポジティブなイメージがベール伝説と結びつき、無垢と純粋の象徴である白いベールが魔力を持つニワトコの茂みの中で見つかるというクロースターノイブルクのベール伝説が出来あがったのであろう。非常に興味深い組み合わせである。
その一方で、ニワトコにはネガティブなイメージもある。キリストを裏切ったユダがニワトコの木で首を吊ったため、ニワトコの木は死臭のような不快な臭いがするのだと言う。またニワトコの木によく生える茸は“ユダの耳”と言われているが、この茸にも丹毒や眼病に対する薬効がある。[植・伝]


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艀(はしけ[Leichter]):
本船と波止場との間を、貨物・旅客などを乗せて運ぶ小船。艀船。


バジリカ (Basilika):
身廊の天井が側廊より高い初期キリスト教会堂のこと。[建・宗]


バシリスク (Basilisk):
アフリカの砂漠にすみ、毒気を吐き人をにらみ殺すという鶏頭を持った伝説上の毒蛇。[伝・動]


ハプスブルク家 (Habsburug):
ハプスブルク家の起源はフランスのアルザス (Elsass) 地方のメロヴィンガー朝の伯爵家にまでさかのぼる。11世紀に現在のスイス北部の州アールガウ (Aargau) にハビヒツブルク城 (Habichtsburg;大鷹、つまり鷲の城) を建てたことから、ハプスブルクという名前が家名として使われるようになる。1090年にハプスブルクの名が初めて用いられ、それ以後この名が使われるようになったらしい。[歴]


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バロック (Barok):
17世紀初頭から18世紀中葉、全ヨーロッパを風靡した芸術(建築・彫刻・音楽など)上及び文学上の様式。文芸復興期の古典主義に対して有機的な流動感が強い。[音・建・美・文]


万世節 (Allerseelen, Allerseelentag):
死者の日、あるいは奉教諸死者の記念日。普通11月2日。[宗]


ビーダーマイヤー (Biedermeier):
ドイツ・オーストリアでの芸術様式のひとつ。ナポレオン戦争後三月革命までの時代(1815−1848)の、簡素実用主義的な様式。当時の小市民の風俗・芸術を特徴づけた。元々ビーダーマイヤーとは誠実であるが、ことなかれ主義で俗物的な小市民を意味する。 [建・美]


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シュテファン寺院の樋嘴 樋嘴(ひはし[Wasserspeier]):
屋根の雨水を落とすための怪獣の形をした吐水口で、ゴシック建築などに多い。[建・美]


表彰 (Insignien):
王冠・宝剣・笏杖など権力・身分・地位などを象徴するもの。[歴]


分離派 (Secession, Sezession) :
建築上・美術工芸上の一種の様式。1897年ウィーンでオットー・ワーグナー (Otto Wagner) ら8人の若い芸術家たちが興した保守的な過去の美術様式から分離しようという運動。機能性・合理性を重視。各国に波及、建築やデザインに大きな影響を及ぼした。ゼツェッション、またはセセッシオンとも言う。 [建・美]


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マンサード屋根 (Mansardendach)
上部の傾斜が緩く、下部が急の二段になった屋根。下部に採光用の窓を開け、屋根裏部屋として利用。フランスの建築家マンサール (Mansart, 1598-1666) の創始による名称。腰折れ屋根。[建]


モラヴィア (Moehren):
チェコの中央部を占める地方の名称。[地]


翼廊 (Querschiff):
建物の左右に突き出した廊。キリスト教建築で、身廊と直交する部分。トランセプト。[建]


ラエティア (Raetien):
古代ローマの属州で、今日スイスのグラウビュンデン (Graubuenden)。[歴・地]


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列聖 (Heiligsprechung):
カトリックで聖人の位に列すること。[宗]


レデンプトール会 (Redemptor):
1732年イタリアに創設された救世主修道会。[宗]


ローマの平和 (pax romana):
紀元後1〜2世紀の五賢帝時代に約200年間続いたローマの平和期間。その間文化や芸術が大いに発展した。[歴]


ロマネスク (Romanik):
中世、11世紀から12世紀中葉にかけて南フランスをはじめ西ヨーロッパ諸国に行われた建築・彫刻・絵画の様式。ゴシック様式に先立ち、教会建築を中心とし、古代ローマやゲルマンの要素と共に、東方趣味の影響も受けている。[建・美]


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