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ラプンツェル (Rapunzel)

ラプンツェル ラプンツェルと言ってぱっと日本人が思い浮かべるのはまずグリム童話に出て来る金髪お姫様(お嬢様?)の名前でしょう。彼女の母親が妊娠中に隣の魔女の庭にたっぷり生えているラプンツェルを食べたくて食べたくてたまらなくなったので、父親が塀を乗り越えてそのラプンツェルを何度か盗みに行きます。しかしそのうち父親は魔女に捕まり、ラプンツェルの代わりに産まれて来る赤ん坊を引き渡すことを約束させられ……という有名なお話です。
幼い頃グリム童話を読んだ私はラプンツェルという名前の異国の野菜の響きに惹かれて、「何というかっちょいい名前のサラダ菜(?)だろうか!」とちょっぴり感動しました。日本の平凡な八百屋にはない、ヨーロッパの香り漂う高貴な野菜という雰囲気が本の中からフンプンと漂ってきていましたから。

時は経ちそんなことはすっかり忘れていたのですが、時々スーパーで見かけていた葉っぱがかのラプンツェルだということに最近気づきました。オーストリアではラプンツェルではなく、主に Vogerlsalat(フォーゲアルザラート;小鳥のサラダ菜)と呼ばれていますし、写真を見てわかるように何の変哲もない葉っぱなのでいつもは素通りしていたのです。
このラプンツェル、雑草並みの繁殖力でどこにでも生えているので、昔はわざわざ栽培するほどの価値も見出されなかったようです。そのためこれは20世紀に入ってからようやく畑で栽培されるようになりました。多分それが理由で、ドイツでラプンツェルは Feldsalat(フェルトザラート;畑或いは野原のサラダ菜)と言う名で呼ばれています。
つまりラプンツェルの母親はわざわざ魔女の庭のラプンツェルを食べずに、森や林に生えているラプンツェルを食べればよかったわけです。真実を知ってしまうと雑草に等しいサラダ菜の代わりに赤ん坊を要求するとは、魔女も相当の駆け引き上手だという気がしてなりません。しかしこのラプンツェル、低カロリーでビタミンAとCとカリウムと鉄分と葉酸が特に豊富ならしいので、妊婦やダイエット中の人には最適の野菜でもあります。

ラプンツェルの味はどうかと言えば、スイスでは Nuesslisalat(ニュスリィザラート;クルミのサラダ菜)と呼ばれている程で、強いクルミの味がします。と書きたいところですが、至極あっさりした味でクルミと言われればクルミかもしれないような味でしかありません。でも食べてみれば中々美味しいような気がします。よく言えば、味にクセがないので飽きがきませんが、悪く言えばただの葉っぱです。
このラプンツェルにモッツァレラチーズやトマトを混ぜてドレッシングをかければ簡単に健康サラダが一品出来あがりです。またこれは冬が旬の野菜ですから、寒くなるとどこのスーパーにも売られています(値段は100gで1〜1.5ユーロほど)。大して高い野菜ではありませんし、栄養も豊富なのでヨーロッパ在住者にはお薦めの野菜です。またレストランにもラプンツェルサラダなどがあるでしょうから、ラプンツェルを食べたい観光客の方々はそちらにチャレンジしてみるといいでしょう。この場合上述したように地方によって名前が違ってきますが、ラプンツェルと言えば多分通じるだろうと思います。

因みにこのラプンツェルという単語はラテン語の rapuncium から来ているそうです。つまりラテン語時代からあったサラダ菜ということで、相当昔からあった(食されてきた?)雑草なのでしょう。これは元々ヨーロッパに自生していた植物らしいので、古代からその薬効と美味しさは知られていたのでしょう。さらにさらに、これは英語で何故か lamb's lettuce(羊のレタス)と言うみたいです。羊が好んで食べるからでしょうか?

補足:ラプンツェルは日本語では『ノヂシャ』と言います。私は不思議の国のアリスのチシャ猫とこのノヂシャを関連付けていたのですが、チシャとノヂシャは(名前だけ)似て非なるものだそうです。

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(C) Hana 2003 ウィーン今昔物語