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ソレッティとブレッツェル (Soletti und Brezel)

私がソレッティを初めて食したのは、今から10年ほど前のことでした。休みにドイツに行っていたという大学の同級生がソレッティを持ち帰ったので、みんなでお相伴させてもらったのです。ポッキーと同様に細長く、茶色いパン生地(察するにブレッツェル)から出来ているらしいソレッティの周囲にはポツポツと塩の塊がくっついていました。いかにも不味そうな外見のスナック菓子(?)だったのですが、百見は一口に如かずと、私は思いきってソレッティを口に入れて咀嚼してみたわけであります。……結局味のほうは、その第一印象とほぼ同じでありました。
その時は、「何でこんな不味いものを彼女はわざわざお土産に日本まで持って帰ったのだろうか?」という疑問が頭を駆け巡ったのですが、そんなことはすぐに忘れてしまいました。そして時は流れて私がウィーンに来ることになったのですが、ウィーンのスーパーでソレッティを見かけたのです。どうやらソレッティはドイツだけではなく、オーストリアでも売られているようでした。好奇心につられ、自腹を切ってソレッティを買ってみた私ですが、1、2本食べてやはりその不味さに耐えられなくなり、残りは半年ほど食べよう食べようと取っておいた後、結局捨ててしまいました。

ブレッツェル 上でも少しふれたように、このソレッティの原型はブレッツェルなのです。ブレッツェルというのは塩の塊がまぶしてあるドイツ産のパン様の食べ物で、その成立には次のような話が語り伝えられています。
昔のこと、小麦粉をけちったしみったれパン屋が捕まってしまい、死刑の宣告を受けました。(パン屋が小麦粉をケチるというのは中世重く罰せられたのです。ウィーンでは、そういうパン屋は大きな鳥篭のようなものに入れられてドナウ川に沈められたそうです。ちなみに人用ビッグ鳥篭は、拷問博物館で見ることができますよ。)しかし必死で命乞いするパン屋に心を動かされた領主は、「太陽が3度輝く菓子を作ってみせたら、その命を助けてやろう」と謎めいた条件を出します。そしてそのパン屋が必死に考えて作り出したのがこのブレッツェルだとか。(お約束通り、死刑に引っ立てられるギリギリになってこのブレッツェルの形ができたそうです。)
しかしブレッツェル (Brezel) という単語は実は、ロマンス語から借用されたイタリア語の bracciatello から来ています。そしてこの bracciatello は元々「腕」の指小形(つまり「小さな腕」)を意味しており、この名前はブレッツェルの形が腕をからませたように見えるところから来ているようです。ですから、太陽云々という話は後づけ伝説のようで、ブレッツェルはどうも中世以前、8世紀頃には既に食べられていたようです。

このブレッツェルを形はそのままに小さく固く焼いたもの(オリジナルブレッツェルの中身は白くてフワフワしています)に、ミニブレッツェルがあり、こちらは中まで固く、かじるとバリバリいいます。これは日本の柔らかなお餅とそれを揚げたアラレに相当するようなバリエーションかもしれません。そして我らがソレッティは、このミニブレッツェルを細長く、さらに手軽に食べやすくしたスナックであるわけです。
つまりこれはドイツ民族の間で(推定)千年以上愛され続けてきたブレッツェルをマイナーチェンジさせたスナック菓子であるわけで、そのため特にドイツ語圏では、大ヒット!とまではいかなくても、地味にコンスタントに売れ続ける定番商品なのでしょう。(ソレッティのパッケージを見てみると、ヨーロッパの各国語で色々書いてありますから、ヨーロッパ大陸全体の定番商品でもあるのかもしれません。)そんなわけで、そんな由緒ある食物の美味しさが純日本人の私に理解できなくても無理はないとも言えましょう。

しかしこれ、本当に味気ない食物なのですよ。ポテトチップスのようにギトギトの油っけとサクサク感があるわけでもなし、チョコレートのように甘い精神安定効果があるわけでもなし。
色々と考えてみるに、ポッキーの5分の1くらいの頼りない歯応えといかにも低カロリーそうな素っ気ない味、それから血圧上昇に一役買ってくれそうな棒全体にまぶされた塩の結晶あたりがソレッティのウリのようなのです。これも質実剛健をヨシとするドイツ民族の好みなのでしょうか?いや、ドイツ語圏に属してはいてもウィーンは音楽や芸術だけでなく、ケーキと菓子の都でもあります。なぜそんな甘党万歳の砂糖の都でもこんな味気のないスカスカの棒きれが大量に消費されているのでしょうか?まさか甘いケーキを食べた後の口直しというわけでもありますまい。
全くもって不思議な話ではあります。しかし私にはソレッティの美味しさと人気の秘密をこれ以上追及できそうにありませんので、ここらへんでこの話を打ち切っておきます。

そうそう、ソレッティで懲りた私はブレッツェルなる食べ物を口にしたことは一度もありませんし、多分これからも口にしないだろうと思います。ただ、ドイツ語で Brezel となっているこの食品が日本では多くレッツェルと表記されているのが気になりましたので調べてみると、英語でこれを pretzel と表記するので、日本語でもレッツェルというようになったらしいことがわかりました。でもでも間違いではないと思いますが、私は元のドイツ語が Brezel なので、この文章を書くにあたっては全てレッツェルで統一しておきました。

ソレッティの公式サイト: http://www.soletti.at/ (英語とドイツ語)

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(C) Hana 2003 ウィーン今昔物語