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冬限定食品

ここでは冬にしか味わえないウィーンの安物美味食品を紹介します。
ジャガイモパンケーキと焼き栗
幸せの魚
プンチュ
プンチュクラッペン
クラッペン

ジャガイモパンケーキと焼き栗 (Kartoffelpuffer und Maroni)

日本では秋が深まってくると焼き芋屋さんが出現しますが、ウィーンでは至るところに上記のパンケーキと焼き栗を売る小さなスタンド (Maronistandl) がオープンします。(もしドイツ語にも俳句があれば、この単語は秋冬の季語としても通用するでしょう。)

大ぶりで甘くて熱い焼き栗をホワホワ言いながら食べるのもいいのですが、これは似たようなものが日本にもあります。日本にない味がジャガイモのパンケーキ。一応訳語でこれはパンケーキとなっていますが、実際にはジャガイモをすりおろしてビューレ状にしたものに玉子や牛乳を混ぜて丸く焼いたり揚げたりした柔らかい煎餅のようなものです。(まぁ煎餅は固いですからあまりいい例えではありませんが、ケーキというのも日本人にはあまりピンとこないでしょう。ここは間をとって煎餅とケーキの中間ぽいものということにしてもいいのですが、それだとなおさら混乱しそうな気がします。結局は実物を見て食べてみるのが一番いいのですが……。)
スタンドでこれを買うと大抵「ソースは?」と訊かれ、頷くとたっぷりのニンニクソースをかけてもらえます。ニンニク好きの方はどうぞ。

とは言え、実のところこのジャガイモケーキ的食品は冷凍食品として年中売っていたりするので、厳密に言うと冬限定食品ではありません。でもスタンドで食べられるのは秋冬の間だけですから、ここに書くことにしました。こちらの人が自分でこれを作って食する場合にはたっぷりのリンゴムースをかけて食べます。変な組み合わせという感じがするかもしれませんが、このコンビも中々美味ですので、好奇心旺盛な方はどうぞ。

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幸せの魚 (Glücksfisch)

マンナー版幸せの魚の箱 年に一度、12月31日にしか買えない魚がこれです。何やら貴重な感じがするかもしれませんが、実はビスケット生地を魚の型に入れて焼いただけのものです。つまりタイヤキを西洋化させて餡を抜き、その分生地の砂糖を多目にしたようなシンプルな魚と考えて下さい。
口の中でホロッと崩れるような歯応えとほどよい甘さに誘われて、ついついこの珍魚に手が伸びてしまいます。しかし一匹食べれば次の年は十分幸せになれるそうですからあまり欲張らず、せいぜい数匹食べるだけに留めておきましょう。さもないと折角の大晦日の御馳走が食べられなくなってしまいます。

幸せの魚 右の写真はウィーンの老舗菓子会社マンナー (Manner) が製造している箱入り幸せの魚(10匹)。しかしこれは同社のビスコッテ(砂糖をまぶしたスプーン型のビスケット菓子=フィンガービスケット)を魚型に固く焼いただけのよう。これで2.29€は暴利だという気がしますが、年が明けると半額で買えます。それでも高いような気がしますが、マンナーは言うなればウィーンブランド。これがネームバリューというものかもしれません。
幸せの魚はその他パン屋やケーキ屋で手に入りますが、12月31日はどの店も閉店時間が早いので注意しましょう。

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プンチュ (Punsch)

ウィーンでは “プンチュ”、日本語に(敢えて)訳せば “ホットパンチ” というこのアルコール飲料も冬の風物詩のひとつに数えられます。
英語を経由してドイツ語に入って来たこの単語はヒンドゥー語で “5” を意味しています。つまり全部で5種類の原料(アラク酒又はラム酒又は赤ワイン、水又は茶、砂糖、レモン汁、香料など)を混ぜて作られるからで、冬のウィーンには上記の焼き栗スタンドと同じくらい多くのプンチュスタンドがあります。

これらのスタンドで売られているプンチュはスタンドごとに味が異なっていると言っても過言ではありません。例を挙げれば、ラズベリー、ブルーベリー、(ただの)ベリー、アンズと生姜、オレンジ、イチゴ、リンゴ、ザクロなど枚挙にいとまがありません。その他ターボプンチュ、王様プンチュ、スウェーデンプンチュ、ジャマイカプンチュなど、プンチュの中身を明かさない名前を冠したものもあり、こうなるとどのプンチュを飲んだらいいのかわからなくなってきます。

一応夜7時からのORF(オーストリア国営放送)ニュース番組 Wien Heute や新聞のプレッセなどはレポーターや(プンチュ)専門家がわざわざ様々なクリスマス市場のプンチュを飲み比べて、視聴者や読者に忌憚のないコメント(「このプンチュは甘過ぎ、買うのは金の無駄」「香料の香りが全くしない」「水で薄めてあるみたいな味」「樟脳(しょうのう)プンチュを飲んでいるみたい」)と共にお薦めの美味プンチュを教えてくれたりしています。
プンチュ好きな方は、これらのレポーターのように自力で自分好みのプンチュを探してみるのも一興かもしれません。さらにインターネット上でプンチュ掲示板でも作り、お薦めプンチュ情報を交換してみたら、美味しいプンチュを見つけやすくなるかもしれませんね。

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プンチュクラッペン (Punschkrapfen)

プンチュクラッペン 上のプンチュと下のクラッペンの中間的存在としてのケーキがこのプンチュクラッペンです。名前以外にどこがどう中間的なのかは不明ですが。またプンチュは冬の飲み物ですが、プンチュクラッペンのほうは年中どこにでも売っています。でもまぁついでですからここに紹介しておきます。

プンチュクラッペンとはその名の通りプンチュ入りの四角いケーキで、右の写真で見られるように毒々しいピンク色のコーティングが特徴的です。中身はスポンジ生地とマジパンを合わせたような、妙に歯応えのあるケーキとなっていて、あまり美味ではないような気がします。
しかしプンチュが入っているのはわかりますが、クラッペンが入っていないのに、プンチュクラッペンとはこれいかに。クラッペンとは元々揚げ物なのですよ。でもプンチュクラッペンは揚げてあるわけでもなし、名前の由来が気になるところです。

味のほうですが、私は5年以上前にこのケーキを一口かじってそれを嚥下するのに苦労して以来、一度もプンチュクラッペンを口にしていないので、わかりません。もしかしてそのプンチュクラッペンを買ったケーキ屋がマズケーキ屋だったのかもしれませんし、そこのプンチュクラッペンの質が驚くほど低かったのかもしれません。また元々アルコール入り菓子(ケーキ以外にもボンボンやチョコなど)が嫌いな私ですので、例え美味なプンチュクラッペンに出会えたとしてもそのおいしさを味わえない可能性は多いにあるわけです。
ですから、ここでプンチュクラッペンの美味しさについて云々することは止めておくことにします。この文章を読んで、勇気ある好奇心あふれる方々はどうぞプンチュケーキに挑戦してみて下さい。

ちなみに、写真のモデルとなったプンチュケーキは人の家に持って行って食べてもらいました。

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クラッペン (Krapfen)

これはウィーン(オーストリア)では季節を問わず年中売っているのですが、一応謝肉祭の時期に食べる菓子パンとされているのでここでも言及しておきます。

なぜよりによってクラッペンが謝肉祭に食べられる菓子パンなのか、色々調べてみましたがよくわかりません。ひとつだけ、四旬節に食べるのを禁止されている玉子を使い切ってしまうため、クラッペンが謝肉祭中に大量に作られるという説を見つけはしましたが、こじつけのようにしか思えません。玉子料理や菓子なら他にいくらでもあるでしょうから、わざわざイースト菌を使って発酵させるという手間のかかるクラッペンを作る必要もないわけです。一体真相はどうなのでしょう?

中にジャムが入って粉砂糖がかかった揚げパン様の菓子クラッペンはオーストリアではドーナッツよりポピュラーな菓子パンです。(もしアメリカアニメのシンプソンがオーストリアで生まれたなら、ホーマーの好物はドーナッツではなくこのクラッペンになっていたことでしょう。)一番多いのは中に杏のジャムが入ったクラッペン (Marillenkrapfen) ですが、その他クリームやチョコの入ったクラッペンや季節によってはイチゴジャム入りクラッペンなどもあり、バリエーションに富んでいます。

クラッペンの穴、ここから食べましょう クラッペンは日本のアンパンに当たるようなお菓子と言えるかもしれません。ただアンパンやアンマンには中身が均等に入っているので、端のどの位置から噛みついても同じ距離(?)で中の餡に到達することができますが、クラッペンにおいてはこの法則が成り立ちません。一部にだけジャムが入っているので、その位置を見極めずにクラッペンにかぶりつくと延々とパン生地のみを咀嚼する羽目に陥ったり、逆にしょっぱなから予期せぬジャムの出現に驚かされたりします。
ジャムの位置を見極めるにはクラッペンの円周部分をよくよく観察し、粉砂糖で隠れている小さな穴を発見することです。この穴からジャムが内部に注入されているので、ここから個々のクラッペンにおけるジャムのおおよその位置を予測することができるわけです。ジャム位置がわかると、ジャムと外のパン生地を適当に混ぜながらほどよい甘さでクラッペンを味わえるようになるわけです。
一応ウィーンではクラッペンをこの穴から食べ始めるのが正しい作法(?)とされているらしく、皆クラッペンを回して穴を見つけてから食べます。なぜこの穴が食べ始めの位置かと言えば、それ以外の場所から食べ出すと穴から中身が飛び出す恐れがあるからだ、とのクラッペン専門家のコメントをニュースで聞きました。私個人としては、あまりに簡単すぎる理由で肩透かしをくらった気分です。

最後に蛇足ながら付け足しておきますと、Krapfen の “pf” の音は閉じた唇から空気を無理矢理吐き出すようにしてプフと発音します。よって正確に言うとクラッペンではなく、クラップヘン(実際にはプとへを同時に発音するんですが)という発音に近くなります。この pf の発音は中々難しいので、パン屋さんで日本風に「クラッペン下さい」と言ってしまうと意味が通じないかもしれないです。

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(C) Hana 2003 ウィーン今昔物語