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マルタ騎士団教会 (Malteserkirche)

マルタ騎士団教会正面 この教会はマルタ騎士団の守護聖人洗礼者ヨハネに奉献された。そのためこの教会の北側を走り、ケルントナー通りと直角に交わる通りも洗礼者ヨハネの名に因んでヨハンネス小路 (Johannesgasse) という名前がついている。
ウィーンとマルタ騎士団の関係は古く、13世紀の初頭にバーベンベルク家のレオポルド六世がこの騎士団をウィーンに呼び寄せたのが始まりだと言われている。その後13世紀半ば、現在の場所に最初の騎士団教会が建てられた。今日立っている教会は14世紀に建設されたものである。19世紀初頭にこの教会はルイ・モントイヤーによって改装され、この時教会正面壁部分等がコリント風の付柱などで装飾された。だが教会内部はゴシック様式を保ち、特に14世紀当時そのままの丸天井やパイプオルガンのある飾り格子で装飾された二階席などはゴシックの傑作とも言われている。
大祭壇画は上述した騎士団守護聖人のヨハネをキリストが洗礼している場面を描いたものである。その左にある大理石の記念碑は16世紀半ばにマルタ島をトルコ軍から守りきった騎士団長ジャン・ドゥ・ラ・ヴァレットを偲んで制作された。この記念碑には墓碑として彼の肖像や艦隊が彫られ、さらにその両側には一風変わったトルコ捕虜の像が立っている。
この騎士団の十字架もよく見ると実は変わった形をしている。というのも、この十字架は八つの尖角を持つ変形十字の形をしているのだ。この変形十字を形作っている四本の線はカトリックの基本道徳とされている四つの枢要徳(賢明、正義、思慮、勇気)を、八つの尖角はキリスト教信者の八つの幸福を表わしていると解釈されている。


マルタ騎士団変形十字
ジャン・ドゥ・ラ・ヴァレット記念碑
マルタ騎士団教会オルガン


マルタ騎士団について

元々この騎士団は11世紀頃第一次十字軍を機にエルサレムで結団され、ヨハネ騎士団 (Johanniterorden) と呼ばれていた。団員は当初巡礼中の病人たちを介護することを一義的な目的とし、異教徒と戦うこととは無関係であった。元の病院は12世紀には2000人もの患者を収容するほどの大規模なものであったが、後にテンペル騎士団などの影響により、聖地を守るための軍隊活動が始まる。それにつれて騎士団的要素が序々に強まっていき、救護活動のほうは次第に縮小されていった。

その後1530年にこの騎士団がハプスブルク家のカール五世から封土としてマルタ島を与えられると、以後マルタ島に因んでマルタ騎士団と呼ばれるようになる。
このマルタ騎士団に入団するには、一定の条件があり、志願者は父方と母方の祖父が両方とも騎士であることを証明しなくてはならなかった。これは不測の事態に団員は騎士として武力をもって信仰を守ることが必要とされたためである。現在の入団基準は不明であるが、今日でも多くの国々でマルタ騎士団員たちが慈善活動を行っている。

場所:ケルントナー通り (Kaerntnerstrasse) 37番地。


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